校長先生のお話

美しい「心ばえ」

美しい「心ばえ」

 今日は2月最後の朝会です。この学年も、6年生は卒業式まで3週間、1年生から5年生までは4週間で修了式となります。一日一日を大切して、しっかり総まとめをしていきましょう。

 さて、今日は、先週、すばらしいことをしているのを見かけたので、ぜひ紹介したいと思いました。それは、トイレのスリッパが、きちんとならんでおらず、乱れていたのですが、自分が履いていたスリッパだけでなく、全部のスリッパをきれいにならべ直してくれた人がいました。誰も見ていないのに、自分の考えでできていたのです。本当にすばらしいことだと思います。
 トイレのスリッパをならべ直してくれた人は、ばらばらになったスリッパは、次ぎに使う人が不便だし、見た目も悪くいやな気持ちになるだろうと思ったのでしょう。その人の普段からの心のありようとして、乱れていたら直すのが当然であり、普通のことだったのだと思います。このような心のありようを「美しい心ばえ」と言います。
 このような心ばえは、日本人が昔から大切にしてきたものです。例えば、ご飯を食べる時に使う「お箸」には、使う作法というものがあります。少し堅苦しい決まり事と思うかも知れませんが、もともとは、材料を作った人、届けた人、料理した人など、かかわった人たちに対して感謝の気持ちをもつとともに、一緒に食べる人にいやな思いをさせないという心遣いをする、食べる側の「心ばえ」です。
 心と行いは、一緒のものです。少し難しいかもしれませんが、心を磨くことは、行いを正しくすることにつながるのです。また、行いを正していくことは、心を磨いていくことになるのです。
 トイレのスリッパをならべ直してくれた人のような、美しい心ばえをもち、周りの人の気持ち、相手の人の気持ちを考えて言葉を言い、行動をとってほしいと思います。